まゆげ仁王
愛媛県越智郡上島町弓削佐島263 西方寺
去年(2018)のNHK大河ドラマ「西郷どん」(せごどん)にあやかったわけではないけれど、西方寺の門前を守る仁王像には立派なまゆげが黒々と墨書されている。
石造に墨を塗るとは珍しいが、丸みを帯びて優しい顔つきの仁王像を見た檀家総代が、威厳をつけるために太い(太すぎる)まゆげを書いたのだとか。
吽形の方はいかつい顔になったが、阿形の方はまだまだ気弱そうだ。そもそも口が「あ」ではなく「うぇ」という感じになっている。振り回す気のない棍棒を握りしめ、おなかを押さえて「いじめないでくれよぉ」と言っている顔つきだ。
仁王は健脚の神として崇拝され、所によってはわらじが奉納されているところを見ることがある。とすればこの仁王も、その健脚で、いじめられたら一目散に逃げだすのかもしれない。
今年(2019)の大河ドラマは「いだてん」(韋駄天)。2年続けてこの仁王像に縁のある話になったね。こじつけだけど。