2019年3月17日(日)

三秀園と立石山

愛媛県越智郡上島町生名立石

メンヒル

瀬戸内の記憶には、どこへ行っても大きな石がついてくる。

犬島には大阪城の石垣の石を産したという石切り場の跡があり、尾道の千光寺や宮島の弥山にも巨石がごろごろしていた。何でもない道ばたや、公園の片隅にドカンと大きな石があるのを目にすることもあった。

立石山

生名島にも巨石スポットがあるというので、因島へ帰る前に、立石港に近い三秀園に寄ってみた。

人気のない庭園の真ん中に、巨大なメンヒルが聳え立っている。背後の立石山にも、木々の合間からたくさんの巨石が顔をのぞかせているのが見えた。

三秀園は因島の女傑、麻生イトが隠居所として開いた庭園だ。当時は荒れていた立石山を霊場として再興し、自身も観音菩薩に帰依したという。

時間があったので立石山にも登ってみた。表参道は山崩れで通行不可となっており、参道の入り口にあった女史の座像は園内に避難されていた。裏道を探して登っていくと、山頂には弥生時代の祭祀の跡といわれる磐座がある。千光寺や弥山ほどの迫力はないものの、やはりただならぬ力が籠っているように感じられた。

眼下に広がる瀬戸内海の景色が素晴らしい。今日走ってきたゆめしま海道も明日走る予定のしまなみ海道も、一望のもとに見渡せる。まさに、今日一日の締めくくりにふさわしい絶景だった。

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