2019年3月18日(月)

村上海賊のマンホール

広島県尾道市因島大浜町57 因島アメニティ公園付近

村上海賊

瀬戸内海にはかつて、海賊が跋扈していた時代があった。

海賊と言っても、ピーターパンの敵役フック船長のような感じでは、もちろんなかった。行き来する船から積み荷を略奪することもあれば、通行税を取り立てて海上警護や水先案内をしたりという、良くも悪くも瀬戸内海を支配する勢力であったようだ。水軍とも呼ばれ、毛利などの大名に仕える武装集団として活動することもあった。

因島はその中の一派、村上海賊(村上水軍)ゆかりの地だ。

因島のカラーマンホールにデザインされた海賊船は、「丸に上の字」の村上家の紋を染め抜いた帆を掲げている。

村上家は因島を含む芸予諸島全体に勢力をもっていた一族で、因島村上家、能島村上家、来島村上家のほか、一般人にも村上を名乗る人たちがいたようだ。向島から尾道に帰る渡船の切符売りのおじさんも、「わたしも村上なんです」と誇らしげに言っていたが、海賊の末裔という感じではなかった。

マンホールは尾道市に併合(2006年)される前の因島市時代のもので、縁取りの青い部分には市の花であった除虫菊の花があしらわれている。かつて、因島は蚊取線香の原材料として知られる除虫菊の一大産地だったが、現在は観光用の花畑がメインになっているそうだ。