2019年8月25日(日)

風の音符 / モクモク ワクワク ヨコハマ ヨーヨー

神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1 横浜美術館

風の音符

横浜美術館の中庭に新宮晋の「風の音符」(1989)が展示されている。本来、風を受けてさまざまに表現を変えることを意図して制作されたはずなのだが、三方を建物に囲まれた閉空間にはほとんど空気の動きがなく、オブジェは静かにたたずむばかり。動くか動かないか、その微かな揺らぎがテーマなのかもしれない。

モクモク

対して、ランドマークタワーとクイーンズスクエアの間のヨーヨー広場にある巨大なオブジェ「モクモク ワクワク ヨコハマ ヨーヨー」(最上壽之、1994)は、どんなに強い風にも揺るがない強固で頑丈なたたずまいだ。ビル風を緩和する機能も期待されて制作されたという。

そのイメージはビルの間の風の通り道に「たなびく雲」を表現しているというが、そんなほのぼのとした雰囲気はみじんもない。風の神を挑発するかのようにくねくねと体をよじりながらも、太い足を踏ん張って、吹けよ風、呼べよ嵐、とばかりに空を睨みつけて立っている。

風をテーマにした二つの作品の、それぞれの解釈が面白い。