2019年9月12日(木)

極 楽 寺

神奈川県鎌倉市極楽寺3-6-7

極楽洞

逗子からの帰り道、海は見飽きたので極楽寺に寄って見ようと思った。「ブラタモリ」(NHK、2015年5月23日放送)で取り上げられた、切通しを見るためだ。

「切通し」とは文字通り山を切って通した道のこと。トンネルを掘る技術がなかった時代に、山越えを少しでも楽にするために切り拓かれた道で、三方を山に囲まれた鎌倉にはいくつもの切通しが通っている。

切通し

「ブラタモリ」には、左の写真で切通しの右側の山を登っている階段を上った先で、「実は昔の切通しはこの高さだった」と説明する場面があった。現在の切通しの中から見上げると、両側には高い崖がそびえていて、長い年月をかけてよくぞこれだけの高さを削ったものだと感心する。

江ノ電は近代に作られたものなので、この山をトンネルで抜ける。海岸沿いを走るイメージのある江ノ電では唯一のトンネルで、明治40年(1907)に開通した。

この極楽寺トンネルには不思議なことに名前が二つある。正確にはトンネルではなくその入口(坑門)の名前で、極楽寺側が「極楽洞」、長谷側は「千歳洞」という。

極楽洞は建築当時の雰囲気をそのまま遺していて、鎌倉市の景観重要建築物に指定されている。写真を撮ろうと待っていたら、現有車輛で一番古い300系が現れた。煉瓦造りの坑門とお似合いの組み合わせ。寄道した甲斐があったね。

極 楽 寺