雲の形
神奈川県藤沢市片瀬海岸2-15 弁天橋
小田急の片瀬江ノ島駅から江の島方面に向かって境川を渡る橋の上に、裸婦像が置かれている。
一糸まとわぬ姿で横たわり、身をくねらせる姿がなんともなまめかしい。台座には「雲の形」と作品名が書かれているが作者は不明だ。
わたしには雲を見て女性の姿を想像した経験がない。映画やマンガなどで、白い雲が綿あめやソフトクリームに見えるとか、積乱雲が鬼や怪獣に見えるという例は見聞きしたことがあるような気もする。恋人や会えなくなった人の顔に見える、というのもあったかもしれないが、もくもくと湧き上がる雲を豊満な女性の姿に見立てるとは、なかなかの想像力だ。
橋を渡った先の浜辺には、こんな女性が横たわっているのだろうか。それとも江島神社に祀られている裸弁天の化身なのか。雲の形は風に吹かれてさまざまに変わっていく。そんな様子が女性のようだ、とも言えるのかもしれない。
(2023/2/5) 作者がわかりました。山本正道、1987年の制作です。