2019年9月19日(木)

美術館通り

広島県呉市幸町4

切り株に座って

戦艦大和の町・軍都呉は、わたしには何とも重苦しく息が詰まる。その中でほっと一息つける場所が、旧呉海軍下士官兵集会所(青山クラブ)角から入船山公園に向かって緩やかに登っていく美術館通りだ。

走る童子

広い歩道には赤レンガが敷き詰められ、大きく枝を広げた木々がもたらす緑陰が心地よい。並木道の両側に並んだアート作品が、通りの中ほどにある呉市立美術館へといざなってくれる。

左の写真は黒川晃彦の「切り株に座って」(1990)。彼の作品ではおなじみの小太りで裸のおじさんが、ここでもサックスを吹いている。世の中に裸婦像は多いけれど、裸夫を見ることはあまりない。ほかに思いつく作品は、…ミケランジェロのダビデ像ぐらい、と言っては大げさかな。

美術館別館の前では籔内佐斗司の、こちらも裸の童たちが元気に走っている(「走る童子」(2003))。壁から出てきて、また壁の中へ消えていく時、お尻だけ残した後ろ姿がかわいくて、ちょっと見とれてしまった。