2019年9月20日(金)

音戸旧道なつかし通り

広島県呉市音戸町鰯浜1丁目、2丁目

桜湯付近

自転車で走るのも憚られるような狭い道に、昭和の昔から時が止まったような町並みが続いている。一応、商店街ではあるらしいのだが、閉まっている店が多い。元は銀行だったという洋館も、発掘された古代ローマの遺跡のような雰囲気だ。

音戸大橋

狭い海峡を渡り島に降り立ってこの風景を目にすると、大きなビルや工場が建ち並ぶ本土側とのギャップに驚く。というか、なぜこのままに残っているのかということが不思議だ。昭和36年(1961)に音戸大橋が開通して島と本土の往来が改善され、島から出ることは楽になったが、島へ入ってくるものはほとんど無かったということなのか。

音戸旧道のキャッチフレーズは、「昭和30年代がそのまま残る懐かしい町並み」。まさに、橋ができる前の風景が取り残され、静かに保存されている。

旅人は「なつかしい」「レトロで風情がある」などと無責任なことを言うが、暮らしている方はどう思っているのだろうか。

いつまでもこのままであって欲しいと言って良いのか悪いのか、複雑な心境だ。

古い洋館 | 桜湯跡と木製電柱 | 城谷本店