五反野親水緑道
東京都足立区中央本町2-27-15付近(デザインマンホール)
親水緑道を歩くとホッとする。
緑があり、水が流れて、小さな魚や虫たちの姿も見える。野山を駆け回っていた子どもの頃を思い出し、さらに昔の、人間といえども特別扱いされない大自然の中で生きていた頃のDNAの記憶まで蘇ってくるような気がして心が和む。
五反野親水緑道は、かつては普賢寺堀と呼ばれていた用水路を親水緑道化したものだ。今の子どもたちは人の手のはいった作り物のせせらぎでしか遊ぶことができないのだなぁ、と書いてみて、ハタと気がついた。
われわれが遊んでいたのも田んぼの横の用水路、人が作った小川だったのだ。生活排水などが流れ込んで川は汚れ、子供の遊ぶところはなくなっていたけれど、田んぼの水だけはきれいだった。そこに水を引く用水路にはメダカやカエルやミズスマシがいて、チョウやトンボも飛んでいた。ポンプで配水する流れには勢いがあってコプコプと音をたてていたので、歌のようにサラサラ流れるんじゃないんだなぁと思ったことを思い出す。
親水緑道でホッとするのは、ありのままの自然が再現されているからではなく、子どもの頃に慣れ親しんだ「手のはいった自然」がそこにあるからなのかもしれない。