2020年6月16日(火)

あしたのジョー

東京都台東区日本堤1-32-3付近 旧いろは会商店街入口 / 清川2-13-20 玉姫稲荷神社

あしたのジョー

子供心に「あしたのジョー」は怖かった。

舞台となった山谷のドヤ街や少年院の様子は暗く陰鬱で暴力的な場面もある。貧乏長屋に住んでいた星飛雄馬(巨人の星)や孤児院の出身だった伊達直人(タイガーマスク)とジョーの境遇は似通っているものの、受けるイメージは全然違っていた。

漫画は大ヒットし、わたしも夢中になって原作を読みアニメを見たけれど、もう一度見たいかといわれると少し複雑な気持ちになる。

玉姫稲荷神社

山谷と吉原の境を通る土手通りの吉原大門交差点から三ノ輪方面に行った次の信号の角にジョーが立っている。かつてここから東へ延びていた旧いろは会商店街が、「あしたのジョーのふるさと」を謳って町おこしを図ったときの名残だ。

片側二車線の広い道路には、ほとんど車が走っていない。路地に入れば「ドヤ街」の由来となった簡易宿泊所(宿→どや)が軒を並べている。名前はカタカナのビジネスホテルに変わっていても、雰囲気は昔のままだ。

ジョーと葉子の立て看板が立っている玉姫稲荷神社に寄ってみた。神社の隣の公園では、何人かの男たちが道で拾ってきた大量の空き缶を整理している。山谷の持つ負のイメージは、簡単には消えないだろう。

最近はリーズナブルな宿を求めて外国人観光客が集まってきているという話も聞くが、「アニメの聖地」として若者を呼び込むにはまだほど遠い感じがした。