浮くかたち−赤・垂 / 浮遊する水-芽
東京都大田区池上1-32-8 池上会館
「あぁ、またこれだ」
と言うのもおかしいが、赤い三角錐が印象的な植松奎二の作品をまた見つけた(「浮くかたち−赤・垂」、1996)。しまなみ海道(生口島)で彼の作品を見て以来、この色と形が頭から離れない。
その後ろに浮いているドーナッツ状のものは、先日中目黒で作品を見てきたジャン=フランソワ・ブランの「空間」(1996)。写真には写っていないが、同じ形のオブジェが三本立っている。彩色された空色がまだらなのは、経年劣化で剥げたのか、もともとそういう作品だったのか。FARET立川にIFP(イーエフペー)と言うユニット名で展示している同様の作品では、青空に雲が浮いているイメージが描かれている。
植え込みの中から、壊れて梁だけになった屋根を載せた塔のようなものがのぞいている。屋根裏に上る梯子も、ダメージを受けてぐにゃぐにゃになってしまったようだ。ドラえもんの「ドンジャラ村のホイ」やジブリ映画「借りぐらしのアリエッティ」で描かれたような小人たちの家だとしたら、何とか手助けをしてあげたいものだけれど…。
松田重仁の「浮遊する水-芽」(1996)。彼の作品もFARET立川で、似た作品名の別バージョンを見ることができる。