2020年8月2日(日)

アーチ / 静寂の島

東京都港区六本木6-12-2 / 11-1 六本木けやき坂通り

アーチ

六本木ヒルズのメインストリートけやき坂通りとさくら坂通りの歩道上には、アート作品として楽しみながら、ベンチとしても休むことができるストリートファニチャーが並んでいる。そのなかに、開放的な路上にありながら、建物の中でもあるような、不思議な空間を感じさせる作品がある。

静寂の島

居間のスペースを輪切りにしたような作品は「アーチ」。車道と歩道、屋外と室内、パブリックとプライベートなどの、様々な境界を表現しているということらしい。大きな四角い枠組みが、その境界を越えるアーチになっている。

広場にテーブルが並べられたオープンカフェのある建物の裏に、対照的に、隠れるようにひっそりと鎮まっているのは「静寂の島」。歩道上のパブリックスペースを石の壁で仕切ってプライベート空間にしてしまっている。街の喧騒に疲れた都会人の避難場所、密かな隠れ家ということなのだろう。

作品名の"isola"はイタリア語で島のことだが、英語の"isolate"(隔離)という言葉も想起される。ひんやりとした大理石の感触と緑陰、そして大都会の真ん中で一人ぼっちになったような感覚が心地よい。

・"Arch"(アーチ)ANDREA BRANZI、2003.4.25

・"ISOLA CALMA"(静寂の島)ETTORE SOTTSASS、2003.4.25