エバーグリーン? / 繋留気球
東京都港区六本木6-11-1 六本木けやき坂通り / 12-4 六本木さくら坂通り
蔦屋書店の前に置かれたアート作品は、ツタに搦めとられた無限大記号。
周辺に配置された作品と同様、ストリートファニチャーとして24本のブロンズパイプを束ねてループ状にしたベンチだったはずなのだが、今はもうただの植栽にしか見えない。2016年には作者本人が再訪して"ever greener !"とツイートしている。
周囲の景観に余りにも自然に溶け込んでいるので、目の前のテーブルでカフェを楽しんでいるカップルは全然気づいていないようだ。うろうろしていると不審がられるので、ささっと写真だけ撮って引き上げてきた。
隣のビルの裏にある「繋留気球」も緑に覆われているが、これがちょうどいい日除けになってくつろげるスペースができている。脇の植え込みから太い蔓が伸びていて、「天空の城ラピュタ」に漂着して繋留された気球のような雰囲気。そういえば、映画のラストシーンでは一本の巨大な木と一体化したラピュタが気球のように空を漂っていた。
このベンチで一息つくと、ロボット兵だった庭師が一人で守っていたあの空中庭園での静かで幸せな光景が、一瞬、脳裏によみがえってきたような気がした。
・"Evergreen ?"(エバーグリーン?)RON ARAD、2003
・"Moored Balloon"(繋留気球)PATRICIA URQUIOLA、2007.4.25