2020年8月3日(月)

コンチェルトエンジェル / マザーフォレスト / 記憶の風景

神奈川県川崎市幸区大宮町1310 ミューザ川崎

コンチェルトエンジェル

昔のアニメに、こんな風に頭の毛が立った少年がいたかなぁ。そんな懐かしい記憶を呼び覚ましてくれるのが、ミューザ川崎の入口(ゲートプラザ)で来館者を迎える「コンチェルトエンジェル」。カエルになり損ねたオタマジャクシのようにも見えるけど、なぜ音符のことをオタマジャクシというのか思い出させてくれる姿でもあるのだね。

マザーフォレスト

一緒に並んでいる「マザーフォレスト」は、蝶の羽やリスの尻尾を模した抽象的なオブジェのようだが、実は丸い石の上に人が座ることでチョウやリスの姿が完成するという参加型のアート作品なのだ。

それを知ってか知らずか、時折り親子連れが立寄って登ったり抱きついたりして遊んでいく。人がいない写真を撮ろうと待つ時間は長いけれど、そういう微笑ましい景色を見ていると気にならない。

作品の趣旨は施設のHPでも紹介されていることなのだが、どういうわけかそれぞれの作品の足下には、「のぼってあそぶのはぜったいダメだよ」という注意書きが置かれている。確かに「コンチェルトエンジェル」は登ったら危なそうだが、「マザーフォレスト」はそれを想定して制作されているはず。無粋にもほどがある、と少し腹立たしい気がしてしまった。

後ろに見えるのは、大正3年(1914)に建てられ、90年近くの長きに亘って川崎駅西口を行き来する人々を見守ってきた赤レンガ倉庫(旧国鉄の変電所)のファサードを再現した作品。再び人々の記憶が蘇るように、地下から湧き上がってくるところなのだそうだ。

・「コンチェルトエンジェル」"Concerto Angel" 鴻池朋子、2003

・「マザーフォレスト チョウ リス テントウムシ」"Mother Forest - Butterflies,Squirrels,and Ladybug" 鴻池朋子、2003

・「記憶の風景」"Landscape of Memory" 土屋公雄、2003