2020年8月31日(月)

ドカベンスタジアム

神奈川県大和市柳橋4-5000-1 引地台公園

ドカベン

わたしの子ども時代は「巨人の星」(原作:梶原一騎、作画:川崎のぼる)だった。弟たちは「ドカベン」(水島新司)世代だったので、漫画本を借りて読んだ覚えがある。

「大リーグボール養成ギブス」や「消える魔球」など、現実離れした内容の巨人の星に対して、ドカベンは高校野球という身近な舞台で、多少の誇張はあるもののある程度想像の範囲の世界が描かれていたことに、新味を感じたことを思い出す。

里中

大和スタジアム(旧・引地台野球場)は「ドカベンスタジアム」という愛称で呼ばれ、球場前には力投する里中智とドカベンこと山田太郎のブロンズ像が設置されている。彼らが所属する明訓高校は神奈川県にある設定だったので、実際にここで県予選を戦ったこともあったかもしれない。

今年は春夏の甲子園大会が中止になってしまったけれど、「独自大会」の名目で県大会が開催され、ドカベンスタジアムでも熱戦が繰り広げられた。ドカベンは、彼らの熱い思いを受け止めて、力強く祝砲を打ち上げているところだ。

スタジアム正面には、コロナ禍で遅れていた「日本女子ソフトボールリーグ開幕」を知らせる横断幕が掲げられていた。

2008年北京オリンピックで日本を優勝(金メダル)に導いた上野投手の力投が、昨日のことのように思い出される。北京後にソフトボールは五輪種目から外され、やっと復活した東京大会は来年に延期になった。その上野がリーグ戦に帰ってくる。

甲子園、オリンピック、その他にもたくさんの晴れ舞台が失われた2020年。夢を描いていた人たちにとって、いつかきっとその見返りはある、という励ましは虚しいかもしれないけれど、でもそう言うしかない不条理に胸が痛む。

でもあきらめたり、投げ出したりしちゃいけないんだよ。小さな体で力投する里中の背中は、そう言っているように思えた。

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