2020年9月13日(日)

川 崎 宿

神奈川県川崎市川崎区砂子2-11-1 市役所通り砂子交差点付近

マンホール

東海道に「川崎宿」があったとは知らなかった。いや、昔お茶漬けの付録で五十三次の浮世絵を集めていたことがあるから知らなかったはずはない。「忘れていた」が正しいのだが、思い出さないぐらい印象が薄い、とも言えるかもしれない。

シャッターアート

川崎駅前の、旧東海道・砂子(いさご)交差点角の信用金庫のシャッターに、東海道五十三次の浮世絵が描かれている。交差点側から道程順に「神奈川」「保土ヶ谷」「戸塚」…、あれ、やっぱり川崎がないぞと思ったら、足元のマンホールに多摩川の渡しを描いた歌川広重の東海道五十三次「川崎」がデザインされていた。

東海道は通っているが、川崎のイメージは、旧街道の宿場町というより近代の京浜工業地帯の中心地という方が強い。近代以前は、川崎大師参詣の拠点として栄えたようだ。幕末にアメリカの初代駐日総領事ハリスが川崎宿を訪れた際、本来の宿泊先であった本陣の状態が良くなかったために、参詣客向けの茶屋である万年屋に宿替えしたという逸話がその辺の事情をよく伝えている。

交差点の角には「東海道と大師道」と題した周辺の案内図が立っているのだが、案内するエリアの大部分が大師道部分という所にも、その辺の事情が垣間見える気がした。

東海道と大師道