2020年9月11日(金)

川崎市営トロリーバス

神奈川県川崎市高津区二子6-1-10 二子塚公園

トロリーバス

幼稚園の園庭などに、引退した消防自動車などがボロボロになってもまだ、遊び道具として置かれているのを見ることがある。タイヤはパンクし、ヘッドライトは取れ、シートからスプリングが飛び出していたりしても、子どもたちは喜々としてハンドルを回し、車体のあちこちに攀じ登って遊んでいる。

フェンス

いいかげん休ませてあげなよと思う一方で、いつまでも子供たちに遊んでもらえて幸せだなとも思う。遊んでいる子どもたちのイメージの中では、憧れのはたらくくるまはいつもピカピカの現役なのだ。

二子塚公園に保存されたトロリーバスは悲しそうだった。タイヤはパンクし、ライト類は壊れ、車体には錆が浮いている。一番の見せ場であるはずのトロリーポールはあるのかないのか、車体ぎりぎりに覆いかぶさった屋根の陰で見ることができない。フェンスの中に囲われて、子どもたちとの交流もままならない。

そもそもフェンスが無かった頃も、窓に貼ってある古い写真や周りに置かれたベンチなどを見る限りでは、集まって来ていたのは昔を懐かしむ年寄りばかりだったようだ。

博物館で大切にされることもなく、遊びに来てくれる子供もなく、誰からも忘れられたままに朽ちて行くのだろうか。

トロリーバス | 史蹟二子塚之碑