2020年10月1日(木)

天 女

東京都渋谷区桜丘町20-1 渋谷インフォスタワー

ウルトラマン

見事な片手倒立。オリンピックは延期になっても、新体操日本代表「フェアリージャパン」のメンバーは練習を欠かさずその日に備えている。

いや、もしかしたら彼女はアーティスティックスイミング(シンクロナイズドスイミング)日本代表「マーメイドジャパン」、あるいは高飛び込み日本代表「翼ジャパン」の選手かも。

天女

そんなことを連想しながらキャプションを見ると、タイトルは「天女」。フェアリー(妖精)でもマーメイド(人魚)でもなくニンフ(Nymph)だった。

女性的な体形は表現されているものの、顔はのっぺらぼうで、しかもこのポーズ。羽衣をひらひらさせて天に舞う乙女というイメージからはかなり隔たりがある。まさか、羽衣を奪われて真っ逆さまに地上へ落ちてくるところ?

台の下から彼女の姿を見上げて、ハタと気がついた。これはウルトラマンの変身シーン。光の国M78星雲から降臨する姿じゃないか。

ジェンダーフリーな現代社会では、天女と言えども従来の女性像のままに空を舞うだけの美しい人ではいられなくなったのだろう。天上界に住む神々の仲間として、地上に平和をもたらすため、羽衣を脱ぎ捨て光速で地上に降り立つ天人。

その力強い姿に、コロナ退散の祈りを託したくなった。

※ 現地のキャプションにはありませんでしたが、渋谷の情報発信サイト「渋谷文化プロジェクト」では「晴彗星-天女」というタイトルを紹介していました。ハレー彗星を天女に見立てた作品だということです。となれば、ウルトラマンの降臨という見立てもあながち外れではなさそうです。

キャプション | 渋谷文化プロジェクト