2020年10月7日(水)

バンクシー?

東京都港区海岸2-7-104 日の出ふ頭2号船客待合所(シンフォニー乗り場)

バンクシー

昨年(2019)話題になった、「バンクシー作品らしきネズミの絵」が日の出桟橋の待合室に展示されている。

彼は今年も、COVID-19によるロックダウン中のイギリスでコロナの最前線で闘う医療従事者の献身や努力に対する感謝を表した作品を制作し、その作品をオークションにかけて収益金を英国保険サービス(National Health Service、NHS)に寄付すると発表して話題になった。

一方で、2018年には104万2000ポンド(約1億5500万円)で落札された作品を、オークション会場でシュレッダーにかけるというパフォーマンスで世界を騒がせたことも記憶に新しい。コロナ禍でも、ロンドンの地下鉄車内にマスク着用を啓蒙する作品(落書き)を残し、すぐに清掃員によって消去されたが、消されることも含めた一連のイベントが作品だったのではないかと言われている。

正体を明かさず、落書きという非合法な手段で作品を発表し続けるバンクシーは、アート作品がマネーゲームのアイテムにされる状況を批判し、法の枠の中に囚われて当り障りのない意見しか言えない人たちを嗤う。

真贋のほどはわからないが、世界的に有名なアーチストとは言え、落書きをわざわざ額に入れて飾るというこの状況を、彼はきっと皮肉な笑いを浮かべて見ていることだろう。

東京都による解説 | 彼の監督作品「Exit Through the Gift Shop」(2010)について