VIA-Wall / 響体
東京都江東区豊洲3-2 豊洲フロント / 豊洲キュービックガーデン
犬島のF邸に展示されていた名和晃平の「Biota (Fauna/Flora)」(2013)は、シェービングフォームを思いっきりぶちまけたようなダイナミックな作品だった。その力強いエネルギーが建屋の中に押し込められ、行き場を無くしてもがいている、そんな感じに爆発していた。
対する「VIA-Wall」(2010)は直方体の表面に大小の球体が貼り付いた、ソリッドで静的なイメージ。お湯を沸かした鍋の底から泡が生じるように、何かが湧き出しているように見えるのだが、爆発する恐れはないので屋外に置かれている。
次々に湧き出してくるエネルギーは、シャボン玉となって空へと消えて行く。
金沢健一の「響体」(2011)には、鉄板を切り裂く稲妻のような亀裂が走っている。キャプションには作品を叩いてみようと書かれているけれど、周囲のベンチでは昼休みのサラリーマンが静かに休んでいる。雷鳴のような音が轟いたらどうしよう(まさか)と思って、何もせずにその場を立ち去る小心者の私なのだった。