ルーツ
東京都港区虎ノ門1-23-1 虎ノ門ヒルズ 森タワー
かつて「幻のマッカーサー道路」と呼ばれていたこともある環二通りを跨ぐようにして建つ虎ノ門ヒルズの中庭(オーバル広場)に、白いレースをかけられて姿があらわになった透明人間のようなオブジェがある。
魔除けのために全身に般若心経を書かれた耳なし芳一のように、巨人の姿は見えず、宙を舞う無数の文字が膝をかかえて座るその姿を映し出している。「福」や「Ω」など判別できるものもあるが、文字なのかどうかもわからないようなものもある。8種類(※)の言語が含まれているそうだ。
作品のタイトルは「ルーツ」。「わたしはどこから来たのか、わたしは何者か、わたしはどこへ行くのか」、そんなことを考えて座り込んでいるのだろうか。
体を覆っているたくさんの言語は、そのどれかではなく、すべてがあなたのルーツなのだと言っているのだろう。多様な文化の垣根を越えて一つになった"one world"に生まれた国際人として、生きて行くのだ。そんなメッセージなのだと思う。
※ 使用されている言語は、日本語、中国語、アラビア語、ヘブライ語、ラテン語、ギリシャ語、ヒンディー語、ロシア語