ユリの木公園のオブジェ
東京都世田谷区宮坂2-24 ユリの木公園バス停付近
北沢川緑道の、東急世田谷線山下駅前から小田急線経堂駅付近までの区間には「ユリの木公園」という名前がついている。遊具も広場もない緑道が「公園」というのは不思議な感じもするが、その名の通りユリノキが植えられた並木道には石畳が敷かれ、気持ちの良い散歩が楽しめる。ただし、緑道は自転車通行禁止なので、走るなら側道を行こう。
公園の中ほど、バス停の脇に銀色に光るステンレスの柱が5本立っているのを見つけた。鏡のように磨かれた表面に周りの景色を映して、姿を隠しているように見えるけれど、目に見える映像が連続していないので、そこに時空の裂け目があるかのような違和感も感じる。
世の中にはただの鉄の棒や石の塊に、さも何物かであるかのように勿体付けてアートでございとのたまう御仁がいる一方で、今回の私のように、誰も何も言っていないのにアートかもしれないと反応する知ったかぶりもいる。ネットで探しても、このオブジェについて言及している人はいないようだ。
たぶんこれは、公園の随所に配された庭石(景石)と同じように、景観にアクセントをつけるために置かれた名もないオブジェなのだろう。今まで気づかずに通り過ぎて来たけれど、気になりだすとほおっておけなくなる。なんとも不思議な存在だ。
※ 作品情報がわかりました。 「イリュージョン」、山里和典、1996