THE FAMILY
神奈川県横浜市神奈川区栄町6-1 ヨコハマポートサイドE-2街区広場
「THE FAMILY」(家族)というタイトルを聞いて、何の疑問も無く親子3人だと思った。隣り合う母子とそれを見守る父。わたしの頭の中では、いつも父親と母子が1対2に別れてイメージされる。
黄色いのがひよこのイメージで子どもだろう。隣は赤いトサカに白い羽の親鶏、と考えてハッとした。鶏ならトサカが立派なのはオスだ。これが父と子なら、後ろの青いのが母ということになる。
たしかに背が低くて腰回りに安定感があるところは女性的だが、「青色=男性」と無意識に思ってしまった。背の高さを云々するなら、白と黄色が夫婦で、青が子どもという見方もある。
いやいや、父母子ではなく子ども二人とそれを見守る母または父ということもあり得るし、親を亡くした子ども3人かもしれない。血のつながらない3人でも家族にはなれる。
あれこれ考えていたら、色や背の高さで性別を決めたり、家族の形はこうあるべきみたいなことを言うのがナンセンスなのだと気がついた。
子どもは自由に積み木を積んで色々なものを作る。色も形もおとなが想定する枠から奔放にはみ出していく。積み木を積んだように見えるこの作品は、そんな子どもの目でまわりを見直してみようよ、と言っているのかもしれない。
・"THE FAMILY"、Ettore Sottsass、1994