2020年10月30日(金)

仮想境界面/物体

神奈川県横浜市神奈川区金港町3 コンカード横浜

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行燈のような箱型のオブジェだが、行燈なら和紙が貼ってあるはずの面を覆うステンレスは隙間だらけだ。箱の中と外を物理的に分けてはいないけれど、視覚的に境界であるかのように認識される面。それが「仮想境界面」ということなのだろうか。

2と3

作品が置かれた彫刻の庭には、解説を記してあると思われるサインボードが立っているのだが、雨風で劣化していて判読ができない。それを見て、ふと、発掘された古代文明の遺跡のことが頭に浮かんだ。

遺跡からあまり実用的には見えない建物や土器、工芸品などが出土し、説明する碑文や文献などが見つからない場合に、それを宗教的なものとして解釈することがよくある。もしかしたら広場の三方とエントランスに意味ありげに配置されたこのオブジェを見た未来の人も、説明を見つけられずに、何かの宗教儀式に使われたものかと推測するかもしれない。そう思うと、なんだかおかしい。

今年はコロナ禍のために、密を避けて屋外にあるパブリックアートばかりを見て回っている。それぞれの作品を鑑賞しながら、時に自分の内面と向き合いあれこれ考えることもある。そうしてあちこちを回る行為は、あたかも巡礼のようだ。

…ということは、未来人がアート作品を宗教的に解釈したとしても、無下に見当違いだとは言えないかもしれないな。

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