2020年10月30日(金)

風が、かたる…

神奈川県横浜市西区みなとみらい4-6-2 みなとみらいグランドセントラルタワー 帆の広場

イルカ

この作品から受ける印象は、両腕を振り上げて疾走するスピードスケーター。メダルラッシュに湧いた平昌(ピョンチャン)オリンピック女子スピードスケートの、名場面の数々が目に浮かぶ。

疾走

イチョウ通りを挟んだ向かい側の横浜美術館では、「風の音符」(新宮晋)という作品が風に吹かれて自在に姿を変えながら来場者を迎えている。タイトルに「風」がつくものは、風まかせに姿を変える動く彫刻、いわゆるキネティックアートであることが多い。

キネティックアートが目に見えないものの気配・存在を感じさせるものであるのに対し、この作品の作者は、その目に見えないものを見つけてかたちにすることが彫刻であるという。

わたしはこの作品から、疾走するスケーターが巻き起こす風を感じたが、作者は風をはらむヨットの帆をイメージしているそうだ。海面に戯れジャンプするイルカや海に咲く花のイメージも重ね合わされている。

風に対するアーティストのアプローチも様々なら、その作品を見て感じることも人それぞれ。それがおもしろい。

・「風が、かたる…」"The wind tells..."、細井 篤、2012