寛城のカエデ
山梨県大月市七保町林850
カエデの樹が燃えている。
まだ紅葉しきれずに緑の葉が残っているけれど、かえってそのグラデーションになった感じが、実際の炎のように見えて美しい。
「寛城(ゆるぎ)のカエデ」と呼ばれているけれど、木の種類はイロハモミジ。日本庭園などで見るこじんまりと刈り込まれた木と違って、大きく枝葉を伸ばした山育ちの巨樹だ。
ケヤキやスギなどの大木に比べると、巨樹というには物足りないような気もするが、この種類としては大きい方なのだろう。ごつごつと節くれだった幹がうねるように天を衝く姿には威厳を感じる。逞しい木樵のお爺さんが仁王立ちしているようだ。
県道505号と国道139号の合流地点にある田無瀬バス停近くに自転車を置いて、個人宅の裏山にお邪魔するような山道を登っていくと、カエデの脇に民家があってビックリした。本当に個人の裏山だったようだ。もう一つ先の田無瀬上バス停のところから登ってくる車道もあったので、これを使えばもう少し近くまで自転車で来られたと気がついたのは後の祭り。
まわりは木々に囲まれていたけれど、朝早くに訪れたせいか、ちょうどいい具合に陽が射していて美しい姿を見ることが出来た。