2020年11月29日(日)

空玉/紀尾井町

東京都千代田区紀尾井町1-2 東京ガーデンテラス紀尾井町

空玉

シャボン玉を吹き上げるように、鉄のリングが軽やかに宙に舞っている。リズミカルではつらつとした表現と、錆びた鉄の輪というネガティブなイメージのギャップが面白い。

後ろから

錆びているように見えるのは腐食を防ぐために施された保護性錆で、錆をもって錆を防ぐという効果がある。作者が好んで使うコルテン鋼(耐候性鋼)という素材だ。

施設のHPによれば、「水が地から上昇し、また戻ってくる世界」を表現しているのだという。そういえば、倉敷の大原美術館にも「ふりそそぐもの/倉敷」と題された作品があった。ふりそそぐもの=雨水ということなのだと思うのだが、錆びているように見える鉄によって水(鉄を錆びさせるもの)を表現するのが彼女の作風であるようだ。

・「空玉/紀尾井町」"Soratama/kioicho" 青木野枝、2016