Grow / 時を走る
神奈川県横浜市西区高島1-1-2 横浜三井ビルディング
小太りのおじさんが空を見上げて黄昏れている。仕事の合間の息抜きにオフィスビルから出てきたところ。今の仕事に行き詰ったのか、これからの人生に思いを馳せているのか。
…と思ったら、タイトルは「Grow」。おっと、未来を見つめる若者だったのか。
頭から腰のあたりまで、体の前面がピカピカと光っている。多くの人に撫でられて磨かれてしまったのではない。太陽の方を向いて、一身に光を浴びているところなのだ。
成長を促す太陽の恵み、進むべき道を示す希望の光。それを眩しいと感じない若さがうらやましい。
「時を走る」は対照的にノスタルジーを感じさせる作品だ。港町であり、日本で最初に鉄道が通った街でもある横浜をイメージして、防風板に船と汽車・新幹線(初代0系)がデザインされている。
二つの作品は独立した別々のものではあるけれど、先人たちが積み重ねてきた歴史の土台があってこその成長(Grow)、とも読めるのかな。