ダンス
神奈川県横浜市保土ケ谷区神戸町134 横浜ビジネスパーク
社交ダンスやフィギュアスケートの演技を評して「流れるような動き」ということがあるけれど、まさに演者が流体となって流れているような作品だ。
夜の高速道路を長時間露光で撮影すると、走っている車のライトが光の筋となって写り込む。これをダンスシーンに応用して立体彫像にするとこうなった、ということだ。タンゴをワンフレーズ踊る一連の動きが連続して表現されている。
正面から見るダイナミックな動きに対して、背面には静かに抱き合う男女の姿があった。
ダンスを前に、静かに息を合わせて音楽が始まるのを待っているところなのだろう。表と裏、静と動の対比が印象的だ。
いや、もしかしたら、愛し合うカップルが舞踏会の賑わいに紛れて、静かに二人だけの時間に浸っているところなのかもしれない。その熱い思いだけが、二人の身体から飛び出して情熱的に踊っている。見えているのはその残像なのだ。