釜 寺
東京都杉並区方南2-5-4 東運寺
「釜」「寺」と聞いて連想するのはぶんぶく茶釜。
神田川が環七と交差する下流側にある東運寺はぶんぶく茶釜に縁はないが、綱渡りをする狸さながらに屋根の上、大棟のど真ん中に伏せたお釜が載っていて「釜寺」と呼ばれている。
縁起によればその由来は、森鴎外の小説「山椒大夫」などで知られる安寿と厨子王伝説に関係しているという。
私の子ども時代は、溝口健二監督がヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞をとった「山椒大夫」(1954)や東映アニメーションの「安寿と厨子王丸」(1961)と重なるので、人さらいの代名詞として、敵役である山椒大夫の名前は繰り返し聞かされていた。
身の回りでも「吉展ちゃん誘拐殺人事件」などが起こっていた時だったので、山椒魚みたいな顔をした大男を思い浮かべて怖がっていたことを思い出す。