弁天池公園
東京都東村山市野口町4-14-1
東村山駅方面から北山公園へハナショウブを見に行く途中の小さな川に、欄干に擬宝珠を付けた真っ赤な橋が架かっていた。親柱には「弁天橋」と書かれている。
確かに弁財天で見るようなデザインだが、周りは何の変哲もない住宅地だ。
はて?と思いながら100mほど進み、分かれ道を右に折れると蓮池のある小さな公園が現われた。
池の真ん中に弁天様が祀られ、真っ赤な二連の太鼓橋が架かっている。赤紫色のスイレンの花がぽつりぽつりと水面を彩っていた。
橋のたもとに立つ石碑には「出世弁財天女宮」と彫られている。裏には細かい字で由緒らしきものが書かれているのだが、状態が悪くてほとんど読むことができない。昭和五十年(1975)に石碑が建てられたということだけがかすかに判読できた。
北山公園へ行く人帰る人がときどき公園の前を通っていくが、スイレンを見ようと立ち寄る人は誰もいない。世の中から切り離されたかのような、静かでまったりとした時間が流れている。
「出世」の由来が気になっていたけれど、なんだか、そんな俗っぽいことはどうでもよくなってきたよ。