北山公園
東京都東村山市野口町4-50
ハナショウブには雅な雰囲気がある。
菖蒲園に必ずと言って良いほど用意されてる木道は、在原業平が和歌に詠んだ「杜若に八つ橋」に因んでいると思われるが、その在原業平の時代には「紫」が高貴な色とされていたことが連想されるからだ。
ところが最近、黄色いハナショウブをチラホラ見るようになってきた。きれいではあるのだが、なんかちょっと違う気がする。
例えて言えば、源氏物語のなかにディズニープリンセスが乱入してきたような。あるいは、艶っぽい大人の秘め事が描かれた平安王朝絵巻の世界を、黄色い通学帽子をかぶった小学生の集団がわいわい騒ぎながら覗いているような場違い感。
キショウブは明治時代に渡来した外来種で、実は在来種の植生に影響を及ぼす惧れのある「要注意外来生物」に指定されているのだそうだ。わたしが感じる違和感は、その辺からも来ているのかもしれない。
菖蒲園の脇を黄色い西武線の電車が通り過ぎていく。この黄色は悪くないんだけどねぇ。