時代(とき)を見つめる
東京都足立区千住4-22-16 千住ほんちょう公園
見覚えのある後ろ姿を見つけて立ち止まった。
銀座の街角で、恋の矢を撃つターゲットを探して建物の陰から路地を窺っていたキューピッドに似ている。「久し振り〜」と思ってキャプションを見ると、違う作者の名前が書かれていた。
かくれんぼをしているのか。誰かをおどかそうとして、物陰に隠れているのか。あるいは、公園で遊んでいる子どもたちの仲間に入りたいのに、言い出せなくてもじもじしているところかもしれない。
少年が見つめる先にはカラフルなタコの滑り台があって、学校を終わった子どもたちが元気に遊んでいる。塾やコンピュータゲームに時間をとられる子が多い中、こんなにたくさんの子どもが外で跳ね回っているのを見るのは久しぶりだ。
「きみも一緒に遊んでおいでよ」と声をかけようと思って見ると、左足のかかとが上がっている。
なんだ、もう準備はできているんじゃないか。さぁ行っておいで。