武蔵野皮トンビ
埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3 角川武蔵野ミュージアム
巨大な怪鳥が挑みかかるように大きく羽を広げてこちらを睨んでいる。ミミズクのように見えるけれど、タイトルは「武蔵野皮トンビ」。トビ(鳶)だったのか。
角川武蔵野ミュージアムでは「【コロナ時代のアマビエ】プロジェクト」と銘打って、会田誠をはじめとする作家たちがコロナ時代の人々の不安に変化を与える「現代のアマビエ」をテーマにした作品を展示している。
そのシンボル的な作品として建物前面の外壁に現れたのが鴻池朋子のこの作品だ。トンビの体には、さまざまなワイルドシングスが描かれている。
皮トンビと言う通り床革(とこがわ/牛革を漉いた際にでる裏革)を縫い合わせてつくられた作品は、約一年におよぶ展示期間中、強い陽ざしや雨風に曝されて劣化していくことは免れない。
美術館の完全な設備に守られてきたこれまでの芸術作品に対するアンチテーゼとして、この作品は敢えて屋外に展示されている。生生流転。万物は移り変わっていくのだ。
そこには「コロナ禍だって永遠には続かないのだ」という意味も含んでいるのだろうか。
疫病と戦う強力な助っ人、大魔神も現れた。
※ 武蔵野皮トンビの展示期間は2021年1月8日〜2022年4月4日まで。大魔神はその後も設置されています。