2021年9月29日(水)

うつろひ

東京都新宿区百人町3-1-2 東京グローブ座

青空

コロナ禍による不自由な生活が始まって2年が経とうとしている。

厳密にいえば、中国武漢での発生は2019年12月、日本人の多くがコロナを認識する契機となったダイヤモンド・プリンセス号の集団感染が2020年2月だからまだ2年ではないのだが、その間に2回の夏が無為のまま終わってしまった。

東京グローブ座

子どもの頃の夏休みの記憶が強いせいで、わたしにとっては「夏が終わる=一年が終わる」という気分になる。

東京グローブ座のエントランスで大空に奔放に線を描く「うつろひ」(宮脇愛子、1988)は、しまなみ海道の生口島にも同じシリーズの作品があった。東京の空は狭くて窮屈そうに見えるけれど、青い空を見上げていると、景色は頭の中でスイッチして瀬戸内の海と空が見えてくるような気がする。

またあの景色が見たい。わたしもこんな風に自由に跳び回りたい、と今、切に思う。それはいつのことになるだろうか。