平 和 の 門
広島県広島市中区中島町1 平和大通り
平和記念公園の南側、平和大通りに沿って10基の門の形をしたオブジェが並んでいる。フランスのアーティスト クララ・アルテールと、建築家 ジャン=ミシェル・ヴィルモットが2005年に被爆60年を記念して制作したものだ。
10という門の数は、ダンテが「神曲」に書いた9つの地獄に被爆体験という現代の地獄を加えたもので、人類がこの門(悲惨な歴史)を潜り抜けて平和な未来へと進んで行く希望を表現しているのだそうだ。
強化ガラスで覆われた表面には、18種類の文字と49の言語で「平和」の文字が刻まれている。
活字ではなくたどたどしい手書きで描かれているところが、古代文明の遺跡から発掘された啓示の言葉のようにも見える。平和を求めて果たせず滅びてしまった人々からの、「負の歴史を繰り返してはならない」というメッセージが聞こえてくるような気がした。