2022年2月8日(火)

怪しい木霊

神奈川県大和市深見台3-5

怪人

塚の上に並んだ石塔の陰から何かがこっちを睨んでいる。目の周りに白い隈取りをしたような貌で少し猫背になった姿が怪しい。

石塔

境川沿いを上って来て相鉄線のガードを潜った先で、右に行く川沿いの道が工事中だったので左に曲がった。河岸段丘に上がる小さな坂の上の、庚申塔や道祖神が集められた塚を護るように立っている。

木を伐った跡だと頭ではわかるのだが、どうしても生き物に見えてしまう。木には精霊(木霊)が宿っているというけれど、いつもは人の目に触れないように隠れているものが図らずも姿を現してしまったのか。

石塔の多くは土に返る寸前のような姿だが、一部に寛政十年(1798)、安政七年(1860)、明治十五年(1882)などの年号が判読できる。この先の深瀬橋付近にも石塔を集めた塚があり、享保六年(1721)、文久元年(1861)などの年号が読めた。

周囲の開発が進む中で、土地の神様たちは居場所を無くして困っていらっしゃるのかもしれない。