剱埼灯台
神奈川県三浦市南下浦町松輪剱崎
白亜の灯台が好きだ。
なかには煉瓦造り(赤茶)やコンクリート製(灰色)、あるいは縞模様に塗り分けられているものもあるが、海から見やすいように白くするのが基本であるらしい。
若山牧水が「白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ」と歌ったように、白色は空にも海にも染まらない。
今日は良く晴れて灯台鑑賞日和。真っ白な灯台が青い空によく映える。海の向こうには房総半島の眺めもいい。
自転車旅では夜点灯している姿を見られないので、青空の下に起立する姿こそが楽しみなのだ。
剱崎には電波灯台も立っていた。GPSの普及により光学式の灯台が不要になりつつあると聞いていたので、それに代わる施設かと思ったのだが施設名などを示す表示が何もない。実は、電波灯台の方が先に廃止されてしまったようだ。
灯台の初点プレートには「明治四年辛未正月十一日初點 ILLUMINATED 1ST MARCH 1871」と書かれている。日英の日付が違うのは、日本では明治5年まで旧暦が使用されていたためだ。その初代は関東大震災で倒壊し、現在の建物は大正14年(1925)に再建された二代目だ。