城ヶ島灯台
神奈川県三浦市三崎町城ヶ島689-8 城ヶ島灯台公園
昭和24年(1949)に建てられた燈台創設80年記念碑は、西洋式灯台として建てられた明治3年(1870)を起点に80周年を記念したものだが、碑文にはそれ以前の歴史も記されている。
それによれば、最初に烽火台として設置されたのは、400年近い昔の江戸時代初期、慶安元年(1648)のことだった。
江戸・東京につながる東京湾の入り口にあって、昔から海上交通の重要拠点だったのだ。
城ヶ島の西の磯から高台に建つ城ヶ島灯台を見上げて、「岩壁の母」という言葉が浮かんだ。第二次世界大戦後、戦地から復員する息子を待って港に立ち続けた母親の姿が人々の胸を打ち、「岸壁の母」として流行歌や映画にも取り上げられた。字も、意味も違うが、船乗りたちの安全を祈って海を見守る灯台の姿が、息子の無事を祈る母の姿にだぶって見えた。
近年、GPSを始めとする技術の進歩により灯台は「航路標識」としての役割を終えたといわれることもあるようだが、灯台のあかりは今も船乗りたちの心の支えになっているのではないだろうか。
「おかえり、無事でよかったね」「いってらっしゃい、気をつけて」
東京湾の入り口で、城ヶ島灯台は今日も母のように出入する船を見守っている。
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