矢の根井戸
神奈川県三浦市南下浦町松輪47
三浦海岸から剱埼灯台に向かう途中、「関東ふれあいの道」の看板に騙されて間口漁港に下りてしまった。自転車で行ける道は漁港の堤防に突き当たってぷっつりと切れ、その先は徒歩でも危なっかしい岩礁の道になっていた。
三浦半島のこの辺りはちょうど羽根つき餃子のような地形になっていて、羽根にあたる岩礁部分を伝って海沿いを歩く道が整備されている。
餃子部分に登り返し、剱埼灯台の手前まで来たところで先ほど別れた岩礁の道が合流してきた。自転車を置いて餃子の羽根に下りてみる。その方面には詳しくないが、地学が好きな人には色々楽しめそうな景色が広がっている。
岩礁の手前に「矢の根井戸」があった。伊豆大島に流罪になった源為朝の放った矢がここまで飛んできて、刺さったところから湧いた泉の跡そうだ。
為朝については流された大島はもとより、三宅島でも投げた石が御蔵島まで届いたとか、八丈島では矢を射てトンネル(切通し)を開け交通の便をよくしたなど、あちこちで数多くの超人伝説を聞かされた。
そんな人気者の為朝だが今の人は知らないだろうな、と思っていたら、なんと佐賀県上峰町が町おこしのために「鎮西八郎為朝」と題したアニメを制作したという記事を見つけた(※)。同町の鎮西山は、為朝が九州を平定する際に城を築いたという伝説の地なのだそうだ。
さて、評判はどうかな。
※ 2021年12月から同町の公式YouTubeチャンネルにて配信開始。全13話の予定。