2022年5月19日(木)

日本橋の麒麟

東京都中央区日本橋1-1先

青空

わたしはミステリーを読まないので詳しくないのだが、以前、「麒麟の翼」(東野圭吾)という推理小説が話題になったことがあった。作中、日本橋の中央に設置されている麒麟像が重要な役割を担うらしい。映画化もされてヒットしたようだ。

麒麟

先日、タイトルに謳われている「翼」が実は翼ではないというTV番組(※)を見たので、気になって久しぶりに訪ねてみた。

言うまでもなく首の長いキリン(giraffe)ではないし、ビールのラベルに描かれている麒麟とも似ていない。どちらかといえば、西洋のドラゴンを和風にしたようなイメージだ。

麒麟像をロゴのデザインに採用している東京都公文書館のHPによると、原型製作者の渡辺長男(おさお)は想像上の生き物である麒麟の資料が乏しかったことから、体の部分ごとに異なる作品を参考にしてデザインしたという。番組では靖国神社の燈籠に彫られた麒麟像をそのうちのひとつとして紹介していた。

そして、翼と思われているものは背鰭(ひれ)であるというのだ。

魚の鰭にしては大きすぎると思うけれど、中世の絵画などで翼のように大きな鰭のある怪魚を見たことがあるような気もする。日本橋の袂にはかつて魚河岸があったというから、こんな見たことも無いような怪魚が網にかかって話題になったかもしれないと思うと面白い。

※ 2022年1月15日放送 「新美の巨人たち - 渡辺長男 『日本橋 麒麟像』 × 尾上松也 -」(テレビ東京系列)

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