2022年6月1日(水)

しとどの窟

神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴1042-4

太鼓橋

道の左側に見えた真鶴港魚市場の食堂「魚座(さかなざ)」に気を取られて行き過ぎた。石橋山の合戦に敗れた源頼朝が身を隠していたというしとどの窟は道の右側。わたしが追っ手なら、まんまと騙されたというわけだ。

しとどの窟

わたしが初めてこの洞窟の存在を知ったのは、NHKの「日本人のおなまえっ!」という番組だった(※)。

番組によると、日本で一番「青木」さんが多いのは真鶴なのだという。敗走する頼朝一行がこの洞窟に隠れた時、真鶴の人が青々と葉の茂った木の枝で岩屋の入り口を隠して匿った功績で青木姓を授かったという言い伝えがあるそうだ。

解説板に掲示されていた昔の写真には、船でなければ辿り着けないような波打ち際の断崖絶壁に空いた洞窟が写っている。こんなところに茂みがあったら不自然な感じもするが、昔のことだからよくわからない。しとどの窟は湯河原の山中にもあって、それぞれの伝承がごっちゃになっているのかもしれない、とも思う。

いずれにせよ土地の人たちの助けにより、一行は岩海岸から船に乗って辛くも安房国(千葉)に逃れる事ができた。房総半島に渡ってからも、頼朝は行く先々で彼らを助けた人たちに姓を与えたという。

名前にもいろいろな歴史があるのだと思うと面白い。

※ 「人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ!」【色のつく名字】青木・目黒・白鳥、2017年6月29日放送

箱根ジオパークの説明板 | 品川台場礎石乃碑