マリーンハウスふたば
福島県双葉郡双葉町郡山北磯坂100-2
舗装道路からわき道に入ると、大きな水たまりに行く手を阻まれた。双葉駅でもらった地図によると、この辺が復興産業拠点区域と帰還困難区域の境目になる。この先はアンタッチャブルな領域なのだ。
あの日津波に襲われた海の家は、10年以上が経った今も廃墟となったまま放置されている。かつて海水浴やキャンプを楽しむ人たちでにぎわっていたことが想像できない寂しい風景だ。
高々と築かれた防波堤に上がってみると、打ち寄せる波の音がドーンドーンと大砲を打つように聞こえた。いつもこんなに激しいのか、平素はもっと穏やかなのかは分からないけれど、ちょっと胸がざわつく思いがする。
防波堤の内側では、津波で失われた松林の再生事業が進められているように見えたのだが、柵の中は雑草だらけだった。まだまだ先は長そうだ。復興が進み、人々の笑顔が海辺に戻ってくる日はいつになるだろうか。