棚塩産業団地 見晴台
福島県双葉郡浪江町棚塩大原126
誰もいない産業団地の見晴台の斜面で、二台の芝刈りロボットがお仕事中だった。誰に指図されることもなく黙々と働くけなげな姿は、映画「天空の城ラピュタ」(宮崎駿監督、1986)に登場する園丁ロボットを彷彿とさせる。
見晴台から見る景色は、大量のソーラーパネルに埋め尽くされていた。ここ以外でも、福島県浜通り地域では、震災や原発被害によって放棄された農地や住民が戻れない宅地跡に大規模太陽光発電所(メガソーラー)が続々と造られている。福島県は今や、太陽光発電で国内トップクラスの実績を上げているそうだ。
無人の広野を埋めるソーラーパネルと、そこで働く自律ロボット。先進的ではあるけれど、ちょっと哀愁も感じさせる風景だ。
ここには元々原子力発電所の建設が検討されていたのだが、震災により計画は白紙になり、代わって震災からの早期復興を目指す目的で棚塩産業団地として整備された。
ソーラーパネルの海の奥に見える白い建物は水素エネルギーの生産・研究施設で、ここで作った水素が東京2020大会では聖火や選手村などで使用された燃料電池自動車(FCV)に使用されて話題になった。
(説明板) : 福島水素エネルギー研究フィールド | 福島高度集成材製造センター