万葉の里風力発電所
福島県南相馬市鹿島区南海老蛭沼26
原町火力発電所を山側から通り過ぎ、坂道を下ると目の前がぱっと開けて、一面黄金色に染まった稲田が広がる風景に迎えられた。
その向こうにゆっくりと回る4基の風車が見える。2018年に商用運転を開始した万葉の里風力発電所だ。
新しい施設だが「ウィンドテック○○」みたいなカタカナ名前ではなく奥ゆかしい「万葉の里」としたところに、脱炭素社会を目指して自然と共に暮らしていこうという気持ちが込められているのだろうと思う。
南相馬市は2030年を目途に、市内の電力全てを再生可能エネルギーで賄うことを目標に掲げている。発電容量9.4MWの万葉の里では、一般家庭の約4,500世帯分に相当する年間発電量を想定しているという。
浜通り地域に続々と誕生している太陽光発電所のほか、飯館村との境にある八木沢峠付近には野馬追の里風力発電所の建設も予定されている。原子力に失望させられた福島が描く未来予想図は、わたしたちにどんな明日を見せてくれるだろうか。