2022年9月30日(金)

大塚稲荷神社

福島県相馬市新田梅川120

三猿

松川浦の西側の農道を走っていると、目立った建物も木もない中に、上部が伐られてモニュメントのようになった太い木の幹が、遠くからも目立ってポツンと立っているのが見えた。

御神木

立ち寄ってみると、玉垣も何もなく鳥居と拝殿があるだけの神社が祀られていた。敷地内には公会堂らしきものが併設されている。

神社再建の碑によると、津波ですべてが流されてしまった中で、御神木によって御神体だけは難を免れたとある。Google Street Viewの過去の画像を見ると、2011年12月時点では枝ぶりも見事な杉の御神木の姿を認めることができるが、2013年の再建を待たずに伐られ今の姿になってしまったようだ。

御神木の前に鳥居の足か何か、三猿が彫られた柱状のものの一部が残されていた。損傷が激しく聞かざるは何とかわかるが、見ざるは怪しい、言わざるはほとんど姿を成していない。あの日津波に襲われ、目をつぶり、耳を塞いで、叫ぶこともできす、恐怖に耐えたサルたちのことを思うと胸が痛んだ。

神社再建の碑