旧国立競技場の壁画
東京都新宿区霞ヶ丘町10-1 新国立競技場 外苑西通り側デッキ下
旧国立競技場に設置されていた壁画11点が、新競技場に移設され公開されている。以前は館内にあったので入場者しか見ることができなかったが、今回は外苑西通りに面した外壁に展示されているので誰でも見ることができる。
旧競技場には何回か言ったことがあるので目にしているはずなのだが、とんと記憶にない。今回の移設についても、ニュースで聞かなければ特に興味を惹くこともなかったかもしれない。作者の皆さんには申し訳ないが、パブリックアートってそんなものなのかなと、自分の無知を差し置いて、そう思う。
作品はどれも巨大なもので、右写真左側の壁に設置されているものは高さが8m近くあるため地面を掘り下げて設置されている。作品の前にある柵は作品を保護するためではなく、鑑賞者がお堀に落ちないようにするためのものだ。作品の中を階段(の跡)が横切っているものもある。
どの作品も1964年のオリンピック開催に合わせて制作されたものだ。戦後日本初(たぶん)の国際的なイベント開催に向けて、日本中が盛り上がっていたその時代の空気のようなものも感じることができる。
対する2020大会は不祥事やコロナ禍などもあり、いまいち後味の悪い大会だった。後年振り返ってみて記憶に残るようなもの、あるいはこんな風に残したいと思わせるものはあっただろうか。