2022年11月7日(月)

The Wall / Art Silo

東京都港区西麻布4-2-4 / 5

ペリー

先週(10月末)はハロウィンだった。かぼちゃのお化け(Jack-o'-Lantern)は昔から知っていたけれど、わたしの若い頃はまだハロウィンをイベントとして楽しむことはなかったなぁと思っていたら、なんとなくお化け屋敷が見たくなって西麻布に行ってきた。

外観

と言っても本当のお化け屋敷ではなく、なんかそんな雰囲気の古いお城風の建物。六本木通り(都道412号)と外苑西通り(都道418号)の交差する西麻布交差点から200mほど南に行ったところに建っている。

右写真右側の箱型のビルがThe Wall(ザウォール、1990)、左側の塔型の建物がArt Silo(アートサイロ、1993)といい、設計はイギリスの建築家ナイジェル・コーツ。

古びた煉瓦の外壁や、鉄製の手すりや柱などの仰々しいつくりが、ホーンテッドマンションっぽい雰囲気を漂わせている。細部まで凝った内外装は、バブル期にかなりの資金をつぎ込んで建てられたのだろうと思わせる。

The Wallの外壁に古代の遺跡から発掘したメダルのようなものが埋め込まれていて、それを保護するようにとってつけたようなガラスケースが設置されていた。銘板に"Grayson Perry 1989"とある。2003年にイギリスの美術賞ターナー賞を受賞したグレイソン・ペリーがまだ無名の頃に製作した作品で、おそらく有名になって急遽ガラスケースが用意されたのだろう。

写真ではガラスが反射して見にくいが、作品の最上部には怖い顔をした悪魔とも聖職者ともとれる人の像があってこちらをじっと見下ろしている。異様に光った目からビームを発射してきそうな表情だったので、Trick or Treatも言わずに逃げ帰ってきた。

グレイソン・ペリーのアートワーク(部分)