ジ ル
東京都中央区日本橋2-3-4 日本橋プラザビル
ジルは落ち着かない。
搦めた指を組んではほぐし、ほぐしては搦めることを繰り返している。少し前かがみに座りつま先立っているのは、呼ばれたらすぐに立てるようにということだろうか。
朝倉響子の作品はどれもモデルの名前が作品名になっているので、制作の意図は正確にはわからない。もしかしたらジルはこういう人、マリはこんな性格というようにそれぞれにキャラクター付けがされていて、それが作品のテーマと結びついているのかもしれないが詳しいことはわからない。
ここでのジルは、例えばオーディションの結果を待っているところ、といった感じだろうか。あるいは誰かの話を聞いているのだが、あまり気持ちが入らずに上の空というようにも見える。もう帰ってもいいかしら。お腹減ったのよねぇ。
はてさて、みなさんはどうご覧になりますか。
・ジル、朝倉響子、1988。