Jill
東京都多摩市唐木田1-2 小田急線唐木田駅前
唐木田駅前にジル(Jill)が立っていた。
ポケットに手を突っ込んで仁王立ちになっている様子は、待ち合わせというよりは待ち伏せという感じ。誰を待っているのだろう。
剣呑な雰囲気を感じるのは逆光になって表情が読みにくいせいかもしれない。来ない人を待つことに疲れてぼーっと考え事をしているだけ。そんな風にも見える。
まだ昼過ぎだが、冬の陽の長い影が夕暮れ時を思わせる。もう何時間経ったのかしら、待ちくたびれたわ。
ジルには先日日本橋でも会った。同じ人だと思うけど、あちらは「ジル」でこちらは「Jill」。髪型も違うけれど何か意味があるのかな。
朝倉響子の作品を見ると、いつも物語が浮かんでくる。もちろんそれはわたしの勝手な妄想で作者の意図とは違うと思うけれど、それが作品の力というものなのだろうか。
・Jill、朝倉響子、1991.3。